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ひさしぶりの遺跡案内(吉村作治コラム)

ここのところ慌ただしさがようやく落ち着き、嵐が去った後のように、私の毎日は静けさを取り戻しました。そんな中で、エジプトに行ってまいりました。今回の目的は、ダハシュール北遺跡の発掘調査、第二の太陽の船プロジェクト再開のための下準備、その他も色々と、盛り沢山の楽しいエジプト旅行でありました。

ダハシュール北遺跡の発掘調査は、それなりのよい成果を出しており、手ごたえを感じています(ダハシュール北遺跡は、考古学、エジプト学の宝庫です!)。一方、第二の太陽の船プロジェクトは今年中に再開するために、現状把握と、内部モニタリング器具の付け替えと追加、そして実際に作業するための上屋建設の現地業者との交渉でした。

今回の旅行の一番大きな目的は、知人のご紹介でエジプトにいらっしゃった、日本の学術界を代表する梅原猛先生と、日本の実業界を代表する稲盛和夫氏を遺跡案内することでした。もう10年近く遺跡案内をしていない私は、ともすれば専門的に走りすぎて、聞く方に呆れられることを心配していましたが、皆様とてもよくわかっていただきうれしかったです。特に梅原先生とは、エジプト文明を基盤とした新しい文明論の構築を目指されているということで、文明論についてのお話し合いが私にとってはいい勉強となりました。

そして2月1日は私の誕生日だったのですが、なんと稲盛さんは1月30日が誕生日だそうでして、エジプトで誕生会が開かれました。私も65歳となりながらも、心身ともに現役を貫いています。それもこれも私の心には常にエジプトがあるからこそ・・・なのです。



著者:吉村作治
初出:シーズンレターvol.4(2008年春号)

人間と自然の共存 (吉村作治コラム vol.2)

私はエジプト考古学を研究する一人として1年に8回ほどエジプトへ行きますが、それは仕事として当然です。しかし、その他にも年に5,6回、エジプト以外の地へも旅をしています。その大半は、比較文明学の立場から地球上の遺跡を訪ねるのが目的です。

すでに100カ国以上は調査旅行をしています。最近は比較文明の中の人間と自然との適合性なども調査・研究のテーマに入れ、自然が残されている所にも足を踏み入れています。今特に行ってみたい地域は、シベリア、オーストラリア、ニュージーランド、南極大陸、アマゾンなどです。これらの地域は一度も行ったことがないので、ぜひ近い将来行こうと考えています。

まだ訪れたことがない地域が南半球に多いということは、私のコンプレックスにもなっています。別に南半球を無視したり差別していたわけではないのですが、文化的要素が弱かったこともありまして足を踏み入れていなかったのです。特に今、オーストラリアのアボリジニの人々とその環境との共存性は非常に魅力あるテーマと感じています。

エジプト、アブ・シール南現場にて
エジプト、アブ・シール南現場にて

今年の4月に開校した完全インターネットの大学、サイバー大学に世界遺産学部を創り、その中に有形文化財、無形文化財としての世界遺産コースの他に、自然遺産コースを設置し、人間と自然との共存関係の講座を設けたのもそういう観点からです。

また、無形文化財コースの中に、「日本の祭り」の講座も創りました。祭りは人間と自然が出会う最高の機会です。今日本では60万件の祭りが行われています。そこでは老いも若きも本気で祭りに参加しています。学校や仕事で故郷を離れた人たちも、祭りとなれば故郷へ戻り、生まれ育った地の歓喜の世界に浸ります。

私もこの4年間で国内60ほどの祭りを観たり、実際に参加したりしています。このように私の1年は旅、旅、そしてまた旅で終わってしまいますが、人生は生まれてから死ぬまでの時の旅と考えていますのでいつもとても楽しいです。


著者:吉村作治
吉村作治写真

初出:シーズンレターvol.2(2007年秋号)


海外旅行の際にはエアーリンクの海外旅行保険をおすすめします。

シニア冒険ブーム (吉村作治コラム vol.1)

私の専門はエジプト考古学です。今さら自己紹介というのも何かダサイ気もしますし、これから書くことで理解していただくのが一番いいとは思いますが、私のことをよくわかっていない方がいるといけないので若干の自己紹介をします。

前職は早稲田大学・国際教養学部・教授で、工学博士号をもっています。現在は、サイバー大学の学長として多忙な日々を過ごしています。考古学者が何故工学博士なのかはおいおい書いていきますが、少なくとも考古学は文学ではないということをわかって下さい。

エジプト、アブ・シール南現場にて
エジプト、アブ・シール南現場にて

エジプト考古学以外の私の専門は比較文明学と世界遺産学です。両方ともエジプト文明との比較で入った学問です。世界遺産は文化、自然を含めて400ヶ所以上訪れています。言い換えると旅行好きということです。私は森のごとくの人生[キが多いというイミ]を64年歩んできました。

新聞に、シニアがアフリカ、中東へ旅行に行くようになったという記事が載っていました。そこには定年間近や定年になった人が就職するのではなく、死ぬまでに自分の人生を取り戻そうとする人が増えたということが書いてありました。

とても良いことだと思います。人生は一度きりだということを実感する人が増えたということでしょう。冒険したかったが生活をとって会社人間として40年以上も自分を殺してきたんでしょう。

しかし60歳というのは今では中年並みです。今からでも遅くないんですからやりたいことをやるべきです。ですからちょっと冒険旅行なんてケチなことをやらずに80歳までの20年間にやれることを目標たててやるべきです。退職金という資金があるんですから、残しても子供がいただくだけですよ。

私はすでに20歳のころからやってきましたから、今さらどうでもいいんですが好きなことをやると楽しいです。

著者:吉村作治
吉村作治写真

初出:シーズンレターvol.1(2007年夏号)

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